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医薬品開発事業
下肢潰瘍を有する軽度から中等度の包括的高度慢性下肢虚血(Chronic Limb Threatening Ischemia;CLTI) CLTIとは、下肢の動脈が狭窄または閉塞し、酸素や栄養が不足する重度の虚血状態を引き起こす病態です。
現在、実施されている治療方法は、カテーテル治療やバイパス手術などですが、虚血状態が継続すると下肢の潰瘍や壊疽が起こり、症状が進行すると下肢の切断や、最終的には生命に関わる可能性があります。 CLTIは血行再建を行わなければ全世界で20秒ごとに下肢切断が行われ、さらに1年死亡率も約20%といわれ、ステージⅢの胃がんの1年後の死亡率に近い疾患です。
HGF(肝細胞増殖因子)による血管再生機能を活用 肝臓の細胞の増殖を促進するタンパク質であるHGFは、肝臓の再生や組織の修復に関わっています。またHGFは、肝臓の再生以外でも血管の再生にも関与していることが知られています。HGF遺伝子治療用製品は、このHGFを産生する遺伝子をプラスミドDNAに組み込み、動脈の狭窄、閉塞した部所にHGF遺伝子治療用製品を注射することで該当部所に血管を新生し、血流を改善し、症状を軽減します。
全世界で末梢動脈疾患(Lower extremity artery disease;LEAD)患者は増加しており,約2億人が罹患していると試算されています。これらのLEAD患者の中で安静時疼痛,虚血性潰瘍などを併発する包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)患者は約11%と試算されています。 米国における患者数は200万人と推定されます。
HGFに血管を新生する能力があることが1995年に発見され、1999年の創業時から当社ではHGFを利用した治療薬の開発に取り組んできました。 日本国内においては、遺伝子治療という新しいモダリティであることから、重度な重症下肢虚血への適応を目指した開発を実施し、2019年に世界で初めてプラスミドDNAを使用したHGF遺伝子治療用製品として条件及び期限付き承認を取得しました。 一方、米国においては、臨床試験の主導医師などの助言に基づき、軽度から中等度のCLTIを対象とし、より早い段階で重症化を防止する臨床試験(第Ⅱ相臨床試験)を2020年から実施しました。2024年6月には米国での臨床試験の結果が非常に好結果であることがわかりました。この結果を受け、同年6月に日本国内における製品開発、販売方針を再検討することといたしました。米国においては、臨床試験の好結果から同年9月にFDAによるブレイクスルー・セラピー(画期的新薬)の指定を受けました。 これらの状況から、米国での製品化を最優先とし、最短での製造販売承認を目指し米国での開発に注力しています。FDAとの協議の下、臨床試験を完了とし、生物製剤認可申請(BLA申請)に向けた準備を進めており、FDAとのType B Clinical Meetingも実施し、臨床に関する申請方針についてFDAと合意を得ることができました。 承認された後の供給面でも、ベーリンガー・インゲルハイム・バイオファーマシューティカルズ社と原薬の供給に関する契約を締結しています。 当社は、血管内治療や、バイパス手術などを行わずに血行を改善し、下肢切断や生命の危険を回避するための治療法としてHGF遺伝子治療用製品の実用化を目指しています。