米国FDAからの「画期的新薬(ブレイクスルー・セラピー)」指定について
皆さま、こんにちは。アンジェスの山田です。
先日のブログ「「HGF遺伝子治療薬が創る「オンリーワン」の未来、そして米国への挑戦」では、当社が取り組んでいるHGF遺伝子治療用製品の可能性と、現在進めている米国戦略の核心について、私の想いをお伝えしました。
今回は、当社のHGF遺伝子治療用製品が、米国食品医薬品局(FDA)より画期的新薬(ブレイクスルー・セラピー)指定を受けたことについて、その背景と意義を改めてお伝えしたいと思います。
日本企業初、バイオ医薬部門(CBER)での快挙
FDAの審査部門には、主として低分子医薬品などを扱う「CDER」と、ワクチンや細胞・遺伝子治療などの生物製剤を扱う「CBER」があります。
これまで日本企業が単独でブレイクスルー・セラピー指定を受けた事例は、CDER(医薬品部門)では過去に数例ありますが、CBER(生物製剤部門)においては、アンジェスが日本の企業として初めてとなります。最先端の遺伝子治療分野において、当社の開発品が高い注目を集めている証であり、大変光栄なことだと受け止めています。
なぜ「ブレイクスルー・セラピー」に指定されたのか?
包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)は、足の血流が極端に悪くなり、放置すれば切断に至ることもある深刻な病気です。
米国で実施した臨床試験において、HGF遺伝子治療用製品はこのCLTIに対し、既存の治療法を大きく上回る可能性(有効性)が示唆されたためです。
この困難な病気に立ち向かう新たな選択肢として、FDAから期待を寄せられています。
承認までの「スピード」を加速させる2つの武器
ブレイクスルー・セラピー指定を受けると、承認申請に向けたプロセスでFDAから強力なサポートが得られます。
1. FDAとの密な連携:
開発の早い段階からFDAの担当者と頻繁に協議ができ、審査に向けた最適な道筋を導き出せます。
2. ローリングレビュー(逐次審査):
通常の審査では、資料が全て揃ってから一括して提出し、審査が始まりますが、ブレイクスルー・セラピー指定によるこの制度では、準備ができた資料から順次提出し、審査を進めてもらうことが可能です。
これにより、効率的な審査が期待でき、一日も早く患者様のもとへ治療薬を届けるための「スピード」において大きな優位性が得られます。
審査の遅延リスクに左右されない強み
昨今、FDAでは膨大な申請業務により審査の遅延が報告されていますが、ブレイクスルー・セラピー指定を受けたプロジェクトは、優先的にリソースが割かれます。事実、当社とFDAとの協議もこの制度のもとで着実に進捗しております。 今後も、BLA(生物製剤承認申請)の提出に向け、この優位性を最大限に活かしながら、全力で取り組んでまいります。
