若手優秀演題賞を受賞した研究員にACRLの活動について聞いてみました(3)
(前回からのつづき)
Q:ACRLでのスクリーニング検査は現状どのような状況なのですか。
A:ACRLでは、これまで拡大新生児スクリーニングを「希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)」から受託してきましたが、更なる普及を目指し、各地の自治体から直接受託できる体制を構築し、積極的に自治体からのご相談に対応しています。その結果として、今年の8月より群馬県での拡大新生児スクリーニングを受託することになりました。
Q:今後も新たな検査を受託することになるのですか。
A:現在も複数の自治体から拡大新生児スクリーニングのご相談をいただいていますので、今後も受託は増えてくると思います。
Q:拡大新生児スクリーニングの他に取り組んでいることはありますか。
A:今回学会発表で評価いただいた二次スクリーニングにも多くの期待をいただいていますので、来年には二次スクリーニングの受託ができるように準備を進めていく予定です。
Q:スクリーニング検査以外では何かありますか。
A:当社が5月に販売を開始したゾキンヴィの対象疾患であるHGPSとPDPLについて、疾患の確定のための遺伝学的検査の受託も開始しています。また、二次スクリーニングと同様の検査によるモニタリング検査で、治療効果の確認もできる体制を構築しています。
Q:ACRLでは、拡大新生児スクリーニングだけではなく、遺伝学的検査やモニタリング検査もできるようになっているのですね。このような取り組みは、会社の医薬品開発にも何かの役に立つのでしょうか。
A:先ほども説明したように、ACRLにおいて、会社が開発したり導入する医薬品の対象疾患の発見、診断のための検査や治療効果の確認のための検査を提供することで、希少遺伝性疾患を発見し、治療薬を提供するという車の両輪のように事業を展開し、ドラッグラグやロスと揶揄されている日本の医療事情を改善することに貢献できると考えています。
以上、今回の日本マススクリーニング学会における若手優秀演題賞を受賞した理由や、ACRLの活動の内容、その意義など、いろいろな視点で検査業務についてご紹介してきました。 このブログが当社の取り組みの理解の一助になれば幸いです。