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2022.01.31

MyBiotics Pharma社における全微生物叢治療薬(MBX-SD-202)の第1相試験の完了について

当社が資本提携しているMyBiotics Pharma社(イスラエル)において、同社が開発

している全微生物叢治療薬(MBX-SD-202)の第1相試験の完了について、2022年1月24日に発表されましたのでご報告いたします。

https://mybiotics-pharma.com/mybiotics-announces-successful-completion-of-the-phase-i-trial-for-its-mbx-sd-202-whole-microbiome-treatment/

MBX-SD-202は、抗生物質治療後の再発性および重症クロストリジウム・ディフィシル感染症治療のための治験薬です。クロストリジウム・ディフィシルは深刻な感染症を引き起こす腸内細菌で、抗生物質治療後の再発率は25%を超え、米国だけで年間約30,000人が死亡しています。 現在、この疾患に対しては、健常な提供者から採取した糞便を移植する「糞便微生物移植(FMT: fecal microbiota transplantation)」が行われており、その有効性について多くの研究がなされております。しかし、FMTには、高コストや提供者への依存、製品の不均一性、潜在的な安全性の懸念など、いくつかの制限があります。

これに対して、同社ではこれまでの常識を覆す独自のSuperDonor™テクノロジーを開発しました。この技術は、元のサンプルとの微生物集団としての高い類似性を維持しながら、安全でよく制御されたスケールアップ可能な培養方法で、提供された糞便サンプルなどの生物学的サンプルに由来する複雑な生きた微生物集団の複製と生産を可能にする方法です。

MBX-SD-202全微生物叢治療薬の第1相試験ではMBX-SD-202をカプセル製剤として、健常被験者に経口投与しました。被験者は、3グループに分けられ、段階的に3用量の治験薬が単回投与されました。30日の観察期間を通して、理学検査、臨床検査および便の採取が行われました。 その結果、重篤な有害事象は報告されず、臨床検査、一般身体所見、および消化器症状に対する臨床的に有意な影響は観察されませんでした。 この結果は、3つの試験用量すべてにおけるMBX-SD-202の安全性を示しており、臨床開発の次段階への移行が支持されました。

MyBiotics Pharma社のCEOであるDavid Daboushは、MBX-SD-202の開発について、次のようにコメントしています。「試験は成功し、計画どおりに臨床プログラムを継続することができ、クロストリジウム・ディフィシル感染症治療のパイプラインを前進させ、すでに開発中の追加の適応症の可能性が期待できます。健常被験者でその安全性が確認されたことにより、SuperDonor™テクノロジーをがん領域など、他の複数の適応症の臨床開発パイプラインに適用することを楽しみにしています。」

MyBiotics Pharma社は、2022年から2023年にかけて、再発性クロストリジウム・ディフィシル感染症および関連するその他の適応症に対するMBX-SD-202の臨床開発を継続する予定です。


MyBiotics Pharma社について MyBiotics Pharma社は、バイオ医薬品およびサプリメント市場の微生物バランスを回復することを目的とした微生物叢ベースの製品を探索および開発する臨床段階の会社です。MyBiotics Pharma社の技術は、単一株、複雑な微生物集団、および全微生物叢ベースの製品の開発に全て適用できます。これらの技術は、AIおよび機械学習計算プラットフォームと統合されており、独自の微生物集団と微生物叢プロファイル全体の設計を可能にします。今後追加されるパイプラインとしては、膣カンジダ症、消化器領域、がん領域の適応症、さらにプロバイオティクスおよびプレバイオティクスに焦点を当てています。

詳細については、https://mybiotics-pharma.com/をご覧ください。

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