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2021.02.24

2020年12月期 オンライン決算説明会レポート【後編:新型コロナワクチン関連】

2月17日(水)、機関投資家・アナリストを対象にした、オンライン決算説明会を行いました。


本ブログでは、オンライン決算説明会レポート【後編:新型コロナワクチン関連】と題して、当日の質疑応答をレポート形式で紹介します。


【新型コロナウイルスDNAワクチン関連】
質問:新型コロナウイルスワクチンの売り上げは、いつごろから計上するのを見込んでいますか?
回答:売り上げの計上となりますと、その前に承認と上市というステップがございます。現在、開発を進めているワクチンの開発は、3段階のうちの2段階目の臨床試験を実施中で、この試験結果をもって、次の最終段階の臨床試験に入っていくことになります。次の最終段階の臨床試験を海外も含めるのか、またどのくらいの症例数で行うかなどを規制当局であるPMDAなどと協議をすることになり、その試験のデザインによって試験期間も変わってまいりますため、現時点ではお答えすることができません。現在、行っている第2段階のフェーズ2/3臨床試験ついては、大きな副反応もなく順調に接種が進んでおります。

質問:新型コロナウイルスDNAワクチンのフェーズ2/3の試験結果は、いつ頃分かりますか?
回答:現在、コロナワクチンのフェーズ2/3の接種を継続中でございます。試験結果のデータをまとめ上げて、公表出来る時期は初夏ごろと考えております。

質問:海外で新型コロナウイルスDNAワクチンの最終段階の治験を行う予定とのことですが、その際、海外の製薬会社と提携する可能性はあるのでしょうか?
回答::フェーズ2/3の結果をもって、当局と協議・調整をしながら、海外の試験規模・試験プランを考えていきたいと思っております。また、大手の製薬メーカーさんと連携しながら、治験を進めるということが理想ですが、現時点では未定です。国の助成金の支援等もいただきながら、開発を進めていきたいと考えています。

質問:変異種の感染例が国内でも報告されていますが、次に行われる治験(第3相臨床試験)に関しては、その変異型も含めたプロトコルになる可能性があるということでしょうか?
回答:現在は、従来型で臨床試験を進めております。コロナウイルスワクチンの製造で、DNAワクチンを選択しましたのは、こういった変異に対して出来る限り迅速に対応できることが土台にございますので、当局との話し合いが必要ですが、そういったコンセプトを頭に入れた形で必要において変異ウイルスに対応して改良する可能性もございます。

質問:(新型コロナウイルスDNAワクチンの)製造の受託に関して、次の治験、さらに上市後を見据えたDNAワクチンの製造に関してはタカラバイオ社やカネカ社などと共同で製造を行っていくという理解でよろしいでしょうか?
回答:基本的には考え方は変わってございません。ただ、これからのことを考えると、国内の製造施設数がまだまだ不足しているという事情もございますので、ぜひ、国から更なる支援をいただいて、将来に備えて十分に対応できるような施設を探していきます。

質問:新型コロナウイルスのワクチンについて、既に国内でも海外企業のワクチン接種が始まるという中で、後発となりますが、アンジェスのDNAワクチンは戦略的にどういう意味があるのかを教えていただきたいです。
回答: 先行している他社のコロナワクチンプロジェクトにつきましては、中身を出来るだけ把握しながら、私どもの位置づけをどうするかを検討しながら進めているところです。DNAワクチンのプロジェクトがどんな意味があるかということにつきましては、これからデータを見ながら、回答を出していきたいと思っております。また、当社はコラテジェン®や高血圧DNAワクチン等の経験がございますが、安全性が担保できるというのは一つの強みだと思っています。スピード感が全く違いますので、どこに焦点を絞るかということになると思いますが、やはり安全性、そして日本国産のワクチン開発を行うことは、将来的なパンデミックをも踏まえ、ワクチン供給面から考えても、非常に意義があると考えています。

質問:性能面で現状の(他社の)ワクチンは効果が90%という数字が発表されていますが、アンジェスのDNAワクチンが、効果の面で、他社のワクチンに対して上回るのか、同程度なのか、あるいは下回るのかについて見通しを教えていただきたいです。
回答:前臨床試験や動物での試験あるいは動物での感染試験、ヒトを対象とした臨床試験の結果を見ても、十分にポテンシャルを持っていると考えています。

質問:コロナウイルスワクチンのフェーズ1/2臨床試験の結果が発表されていませんが、何か理由はありますか?
回答:コロナワクチンのフェーズ1/2臨床試験は投与完了しており、現在はフェーズ2/3試験を進めているところです。このプロジェクトは、元々当社のプロジェクトとして開始しましたが、その後、ご存じの通り、公的機関からの助成金などで、力強いご支援をいただいて進めている状況でございます。そのような状況の中で、試験結果については、フェーズ1/2試験ですと症例数が少ないため、より多い500症例でのフェーズ2/3の試験結果と共に総合的にご報告申し上げよう、と国の考え方も含めて決断しました。そのためフェーズ1/2試験の結果については発表を控えさせていただいている次第でございます。

質問:コロナワクチンについて、有効性(予防効果)のハードルが数ヶ月前に比べて大きく上がっていると思います。数ヶ月前(先行品の結果が出る前)は、FDAは「50%効けばいい」と言っていたのが、現在は最低70%、できれば90%程度の有効性を求められていると思いますが、このレベルを達成することは可能と考えられるのでしょうか。
回答:当局との話し合いもしながら、しかるべき時に公表をすべきと思っておりますが、ポテンシャルとしては十分に対応できるものと判断しています。

質問:有効性(予防効果)に対する高いハードルに十分に対応できる、といえる根拠は、(公表されていない)フェーズ1/2試験の結果、例えば中和抗体の割合が、他社のワクチンに負けてないといった感触がある、という理解でよろしいでしょうか。
回答:基本的にはそういう理解でございます。ただし、まだスタンダードのアッセイ系が、必ずしも世界中に流布しているわけではございません。それぞれ独自の施設の裁量で評価しているというのが現状ですので、若干の誤差はあるかもしれませんが、少なくとも私どもが客観的に見たいという前提で測定している限り、十分に対応できるものであると考えています。またこの件については、しっかりと数字が出てきた際に公表させていただきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。

質問:製造コストについて、ウイルスベクターワクチンはアットコストで3,4ドルといわれていますが、DNAワクチンは同程度のコストで作れるのか、あるいはそれ以下のコストでも作れるのか、教えてください。
回答:DNAワクチンには歴史がありまして、どれくらいの規模であれば、どれくらいのコストになるかというのは過去のデータを含めて検討できる状態になっています。できるだけ大きいファーメンター(大量培養装置)を使って、そしてできるだけ大きい精製のプロセス、この二つのプロセスをしっかりと満足できれば十分な数字は得られると試算しています。

質問:臨床試験の呼び方について、フェーズ1/2やフェーズ2/3といった表現を使用しており、現在進めている試験はフェーズ2/3と呼んでいますが、実質的にはフェーズ2という理解でいいのか、あるいはフェーズ2/3とは何か意味があるのか、確認させてください。
回答:私どもは当初からフェーズ2/3といった呼び方をしているので、当面こういった呼び方を継続したいと思っている次第です。特に他意はございません。現在行っているフェーズ2/3が第2段階であり、今後当局から大規模試験の実施を求められましたら、それが第3段階としてのフェーズ3となります。

質問:DNAワクチンの性能を上げるために、何か反応を増強するようなアジュバントを使うことはないのでしょうか。
回答:現在は、日本で開発する上で受け入れやすい通常のアジュバントを使用して接種をしているところでございます。

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