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2020.01.02

広報から新年のご挨拶と山田社長にインタビューしました

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

新年最初のブログは、私たち広報チームから山田社長へのインタビューです。2019年を振り返り、2020年の意気込みをお話しいただきました。
本年もアンジェスをどうぞよろしくお願いいたします。



広報Q:2019年を振り返るとどんな年でしたか?


山田社長A:2019年は結実の年といいますか、今までの成果が報われた年であったと思います。それに加え、物事がうまく行くときは必ず次の課題が出てくる、それを実感した年でもありました。

HGFは、日本で一度2008年に申請して、2010年に取り下げたという経緯があります。そういう紆余曲折があった中で、アンジェスは上市まで非常に時間がかかったというのが日本での大半の評価だと思います。しかし、海外に行くと全く評価が違いました。(申請が)難しい日本で承認を得たということが高く評価されているという実感です。従前は世界第4位のフランスの大手サノフィーという競合相手がいて競争的にやっていたが、サノフィーは臨床試験の途中で挫折してチームが解散してしまいました。アンジェスはそれをやり遂げたという点で、海外の方々や専門家から非常に高く評価していただいています。

それと、私の中で忘れられない出来事がありました。日本国内でHGFのPMS(Post Marketing Survey)をやるうえで、臨床の先生方約100名にお集まりいただきプロジェクトの説明を行った時のことです。座長を担っていただいた山王メディカルセンターの重松(宏)先生が「40年間この(血管疾患)領域で仕事をしているが、(重症下肢虚血ほど)こんなに難しい病気は無い。自分の中では病気の中でもブラックボックスだった。このブラックボックスにアンジェスが挑戦してここまでやってきた。ぜひ本承認という形で認可をもらうためにもここにお集まりいただいた先生方には是非ともご協力いただきたい。」とご挨拶されていました。血管疾患の外科的治療のエキスパートと言われる重松先生のような専門家から見ても、私共アンジェスが非常に難しい挑戦、しかも新しい領域に挑戦していることを評価していただいているのだと思い、私はとても感動しました。今でもそれを鮮明に覚えています。そういったこともあり、自画自賛ではありませんが、私共の成果を讃えてもいいことだと思います。

また、他のパイプラインに関しては、腰痛症や高血圧ワクチンなど、2019年の初めは、スケジュール通りいくか懸念していましたが、2018年の課題を2019年に解決できました。2020年にはきちんと臨床結果が出せるスケジュール感を明確に出来たので、全体のパイプラインとしては非常にグッドプログレスと言えると思います。

あと、忘れてはいけないのはエメンド社の件です。2018年初めから関わり方を検討していたのですが、OrbiMedというアメリカの大手ベンチャーキャピタルと武田薬品工業が関わっているという点から、実は2018年の段階では私共が関わるのは難しいと感じていました。ところが、2019年になって、エメンドの経営陣が決して今の状況に満足している訳ではないということが分かったので、これはひとつの攻め時だと判断して、3月に最初の出資をしました。そこから数か月、エメンドが抱える技術の進展を見て、かつ先方の考えているプロダクトを見るとさらに攻める価値がある、さらに相手方の武田と戦略的に棲み分けが出来ると感じ、この(ゲノム編集の)領域でトップになるためにはどうしたらいいか?ということを考えて、その結論を導き出すことが出来たのが2019年12月でした。



Q:2020年はどんな年にしたいですか?


A:2020年というのは非常に輝ける未来像を描くことができるような年ではないかと思っています。HGFや腰痛症、高血圧ワクチンなど我々のプロダクトの将来性、それからエメンド社、マイバイオティクス社、バソミューン社それからバーコード社やカマダ社、こういったもの含めた将来像のようなものが、かなり明確な形で描くことができる、そういう年かなと思います。

特にゲノム編集において、この領域は一番手じゃないと意味がないと思っている中で、現状ではUCバークレーとハーバードブロード研究所がお互いにクリスパーキャス9のパテントで訴訟を繰り返しています。この訴訟が繰り返されることでゲノム編集の業界を混沌とさせているように見えるのですが、我々が彼らの先を行く戦略を持っているということは、この混沌としている状況が我々にとってはむしろチャンスかもしれません。業界の状況を俯瞰しながら次の世界に走れるというのは、トップを走れる可能性があると感じます。

また、エメンド社に限らず、マイバイオティクス社やバソミューン社など、彼らと付き合うことによって、世界の潮流というのが見えてきます。そして、シェア10%を切った日本のヘルスケア市場だけではビジネスは成り立たないことも明確になってきましたので、HGFや他のプロダクトも、最先端の技術を持って世界に進出していきたいと思っています。

世界のヘルスケアマーケット特にアメリカのマーケットを例に見て、ここ10年でどんな大きな変化があったかというと、アメリカの売り上げ上位10傑のうち8製品がケミカルズではなくバイオプロダクトでした。ここ約10年でそうなってしまった。そこで、2020年というのは、その上位ランキングに遺伝子治療薬や再生医療の領域の製品がエントリーする、最初の年になる可能性があります。さらに2030年には、バイオプロダクトの中でも遺伝子治療とか再生医療の領域の製品がランキング上位を占める可能性があると予想します。

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