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2019.12.25

12月15日(日)会社説明会レポート【後編(3)】~Emendo社の筆頭株主になる意義~

2019年12月15日(日)、アンジェス株式会社の会社説明会を行い、約400名の株主さまにご来場いただきました。

本ブログでは、会社説明会レポート【後編(3)】と題して、会社説明会の質疑応答をレポート形式で紹介します。


[株主様からの質問]

会社創業時からの株主です。御社の広報に関するご質問があります。御社の広報に関しては改善していくという話がございましたが、直近の話で申し上げます。

エメンド社への出資を先日発表され、マーケットが大変混乱し、全く評価をしないばかりか、株価が実質下がったというのが実態で、週明け以降どうなるかということを皆さん大変心配していることと思います。先般、大変批判を浴びて、株価が影響を受けた第三者割当増資、100億円超の資金調達、その約半分の50億円以上の出資をいきなりされたということに関して、何の情報もなく、大変皆さん戸惑った、それが株価に反映したんだと思います。ところがエメンド社について、私なりに(エメンド社の)会社のホームページを見ましたら、なんと、数年前に設立した時に武田製薬系のファンド会社が大株主だということがわかりました。

そこで、これはとんでもない会社なのかなと、先ほど社長からもお話があって、世界の最先端を走るゲノム編集の会社だということがわかりました。この会社は非上場です。そうすると一般的に非上場の会社は株式の譲渡制限がかかっているので、一般的に株式の売買ができません。したがって、御社が出資をする中でかなりいろいろな戦略なり、ご苦労されたのではないかと思います。大変失礼ながら御社のように世界的に見て(高く)評価をされていない会社が、新たに出資をするということは大変なことだと思うので、相当の根回しがあったかと思います。ところが、今回会社の社運をかけてこの事業に取り組もうとしている、その中で50億の出資これは分かるのですが、今日の資料をみて愕然としました。

2015年設立、去年現在の資本金及び資本準備金が8億しかない。8億しかない会社に対して、来年の6月までに御社が50億を出資することによって御社が30%の株主になる。ということは、その時点での資本金は単純に計算して、1,500億を想定されているということになるかと思いますが、去年の12月現在での8億円の資本金及び準備金が、どうして来年の6月に1,500億円までになるのか、御社のほかに出資をするところがあるのか?またはこの株式が第三者割当増資なのか、または既存の株主からの引き受けなのか全くわかりません。そういった情報を丁寧に出していただければ相当評価があったかと思うんですけど、非常にそういう意味で残念ながら不信感を感じました。

また、更に言うと現在の武田製薬系のファンド会社が、そのあとどういう展開になっていくのか、ファンドですから、株式を売却することが目的なのか?または武田製薬がそれを引き継いでいくのか?要するに来年6月以降の株主構成はどうなってくるのか。そこでそういう大手の製薬会社とか、武田製薬さんが、投資先に残るのであれば、御社がそこに出資者として加わることは大変な評価になると思うのですが、その辺のところをIRとか絡めてうまく情報開示していただきたいという風に思います。


[山田社長からの回答]

ご質問ありがとうございます。私の方から今のご質問にお答えしたいと思います。

大変私共の経営のことを本当にご心配いただきながら、しっかりと勉強していただいてのご発言かと思います。ありがとうございます。

おそらく若干誤解されているかと思いますが、1,500億円ではございません。1桁違います。私共は、この出資をすることによって約32%、30%以上の大株主になるわけでございますが、これ以上は秘密保持に関することでございます。もちろん株主様にお伝えしたいのはやまやまでございますが、これは先方の経営にも関わることですので、できるだけ先方に迷惑が掛からないような形でお伝えしたいと思います。

実は、私共は武田薬品工業株式会社さんを上回って大株主になります。そして、更に経営者David Baram氏含めた顧問の株主さんがおられますが、エメンド社のプロジェクトはこの株主さんと一緒に、言ってみれば共同経営をするという形を考えたいと思っております。1,500億円という数字は、株主さまの誤解でございますので、その懸念はぜひ払拭していただきたいと思いますし、これからは広報という手段を使いまして、できるだけ誤解がないように、もっと安心感を持っていただけるように努めてまいりますので、今日に限らず是非いろんな形でご指摘いただければと思います。

先ほど一部申し上げましたが改めて申しますと、従前のゲノム編集はもう正直言いまして、このエメンド社の技術には勝てません。私はそう思っています。遺伝子の中の一塩基違っただけでも副作用の問題を払拭できないということになれば、当局は認めるはずがありません。そういったことを踏まえ私共は厳密に精査した上での結果、成果でございます。

ではなぜ、エメンド社のようなところが今までシーリングされてきたかといいますと、これは彼らの戦略でございます。

先日ハーバード大学から新しい治験と称してNature誌に記載された論文がございますが、もうその中身はすでにエメンド社が発見し、これならいけるということで、パテントにも収載するという形の方針で進めてきたということがございます。

この辺は非常に情報戦になるということは当然のことなんですが、森下先生を横に置いて恐縮ですが、やはり大学の先生というのはどうしても(新しい技術の発見を)発表しなければならないというところがございます。

しかし、我々のようなベンチャーは、むしろ発表しないでパテントでカバーするということを考えます。一部の方からはホームページを見てもわからないというご指摘もございましたが、実はホームページにないことがこの会社の宝でございます。

そういった情報戦の中でやっています。しかも私共は1年以上かけて、この会社について調べて、その上での出資でございますので、ぜひご理解いただきたいのと、株主さまの質問に対して応えるには、あとは実績を出していくことだと思っておりますので、ぜひそのチャンスをいただきたいと思います。

十分な答えになっていないかもしれませんが、是非この出資につきましてもご理解いただきながらご支援いただきたいと思います。

ご質問いただきありがとうございました。


[この後・・・]

会の終了後、改めて山田社長と質問者である株主様で立ち話をされた際に、1500億円という数字が誤解であったことおよびエメンド社の可能性に関してご理解いただけました。


発表会のレポートは以上となります。

4回に分けてとなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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