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広報担当者による2025年の振り返り
本年も変わらぬご支援を賜り、ありがとうございました。2025年は当社にとって、大きな節目の年となったと思います。そこで、今年を振り返りつつ、今後の当社の展望などを広報担当者の視点からお伝えできればと思います。今年も当社のお問い合わせに様々なご質問をいただきましたので、それらの中から代表的な質問をとおして、2025年のアンジェスを振り返ってみたいと思います。Q:HGF遺伝子治療用製品の開発について、今年の実績を踏まえて今後の見通しを教えて下さいA:HGF遺伝子治療用製品の開発において、2025年は前年に速報結果が出た米国での第2相臨床試験の具体的な結果をお知らせするとともに、今後の開発方針の決定についてお伝えました。また、当製品が承認された場合の供給体制を構築するための契約をベーリンガー社と締結しました。以上のように、当製品の生物製剤承認(BLA)申請に向けて着実に準備を進めることができた1年であったと思います。以上のように、当製品は、第3相臨床試験をスキップすることができたため、製品として上市できる時期が2-3年早まることが明確になった、とても大きな進捗があった年でした。 2026年は、ブレイクスルーセラピーに指定された特典を活かしてBLA申請を実現できるよう、最優先で取り組んで行くことになります。Q:HGF以外の開発品の状況はどうなっているのですかA:HGF遺伝子治療用製品以外の開発品では、NF-κBデコイオリゴDNAについては、米国での後期第1相臨床試験の結果についての論文が発表され、詳細データとともに大変良好な結果であったことを確認しました。また、日本における第2相臨床試験も、2026年の完了に向けて着実に登録者を増やすことができました。また、Tie2受容体アゴニスト(AV-001)は、これまで急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象に開発を進めてきましたが、この開発品の「血管を安定化させ、血管漏出や炎症を抑制する」という作用が、血液透析によって引き起こされる細胞毒性脳浮腫を軽減し、脳の白質の機能を維持できる可能性があるということで、医師主導試験による評価を実施することになりました。このようにAV-001にはARDS以外の疾患の治療にも可能性があることから、共同開発契約の対象をすべての疾患に拡大する契約を締結しました。現在進行中の臨床試験結果を2026年のなるべく早い時期にお知らせできるように引き続き開発に注力していきます。Q:医薬品開発以外の事業はどのような状況でしょうかA:アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)における拡大新生児スクリーニングは、新たに複数の自治体及びその関連団体からの受託を獲得し、増設した設備もフルに稼働する状況が続きました。また、スクリーニング検査以外にも、遺伝学的検査、バイオマーカー検査も受託できる体制が整い、希少遺伝性疾患の検査をワンストップで受託できる体制を構築できました。 子会社のEmendoBioについては、ゲノム編集技術の研究開発体制について、イスラエルでの研究所から米国の研究拠点への移管を進めることができました。また、昨年ライセンス契約を締結したAnocca社と、研究開発拡大のための追加契約を締結しました。ACRL、EmendoBioとも、2026年も新たな成果をお知らせできるよう、取り組みを継続していきます。以上のように、2025年は当社の医薬品開発を始め、どの事業においても大きな問題なども無く、着実に成果を上げることができました。2026年も一歩ずつ歩みを進め、皆様のご期待に応えられるよう全社を上げて取り組んでいきたいと思います。
READ MORE年末年始休業のお知らせ
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。誠に勝手ながら、年末年始の休業及び業務開始を下記のとおりとさせていただきます。 ・休業期間:2025年12月27日(土)から2026年1月4日(日) ・業務開始:2026年1月5日(月) ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
READ MOREHGF遺伝子治療用製品の臨床試験に関する論文掲載に関する補足説明
先日、公表されましたHGF遺伝子治療用製品に関する論文について、その意義などを補足説明をいたします。Q:この論文に記載されている臨床試験結果は画期的なものであると聞いていますが、この試験の結果をどのように解釈し、また期待されていますでしょうか。A:今回の臨床試験では、CLTI(包括的高度慢性下肢虚血)の軽症から中等度の患者にHGF遺伝子治療用製品を投与してCLI(重症下肢虚血)に至らしめないことが重要であるとの仮説に基づき検証と検討を行ってまいりましたが、この論文掲載をもって今回初めてこの考えが認められたことになります。しかも高名な米国心臓学会(AHA)が発行する一流誌Circulation: Cardiovascular Interventionに受理され、掲載された事で、その意義が世界に公表されることになります。米国では、特に再灌流治療(血管内治療やバイパス移植)を行わない場合、CLI患者の約25%で1年以内に大腿部切断が必要となり、年間死亡率は20%を超えることが報告されています。Q:米国の患者数は多いと聞いていますが、どれくらいなのでしょうか。A:当該領域専門家の論文報告では、毎年50万人規模の新規患者が発生しているとされています。そのうちHGF遺伝子治療用製品の投与対象となる患者数の解析をしっかり進めて参ります。 米国においては大きな市場が予測され、現在米国の専門家がその市場を解析しているところです。Q:論文が出るまでにかなりの時間がかかりましたが、一般的に論文の掲載は、どのようなプロセスで掲載されるのでしょうか。A:一般的に論文の原稿が学術雑誌(ジャーナル)へ投稿されると、レビューワーと呼ばれる当該研究分野の専門家に送られます。レビューワーは当該原稿をそのジャーナルへ掲載するに値するか否か、また投稿された原稿に追加や訂正が必要か、必要な場合にはその内容についての判断とコメントを記載し(「査読」と呼ばれます)、ジャーナルの編集部に返送します。通常ジャーナルはそれらのレビューワーの意見を基に原稿の著者と何度かのやりとり(内容の訂正や追加など)を行い、最終的にレビューワーのOKが出ると雑誌への掲載が決まります。 影響力のある著名なジャーナルの場合、ひとつの原稿は数名のレビューワーにより査読されるのが通常で、基本的にレビューワー全員のOKが出ないと学術雑誌へは掲載されません(掲載されない場合には、「リジェクト」として原稿は著者へ返送されます)。このようなプロセスを経て掲載される論文は、投稿から掲載まで、一般的に数か月から、場合によっては年単位の時間がかかります。Q:この論文が出るのを待ちわびていましたが、Circulation: Cardiovascular Interventionはどのような学術雑誌でしょうか。A:この循環器領域専門誌Circulation: Cardiovascular Interventionは、米国最大の心臓学会であるAHAの公式誌であり、インターベンション心臓病学領域における国際的一流誌です。AHAが主催しているため、査読レベルは極めて厳格であり、採択率は10%未満と言われています。また臨床・産業界の標準参照誌でもあり、当該雑誌に掲載された論文は他の学術雑誌に掲載される論文にも参照論文として引用される機会が多く、影響力の大きなジャーナルと認識されます。HGF遺伝子治療用製品は、今回の論文掲載のように世界的にも権威のあるAHAで高い評価をいただきましたので、自信を持って承認に向けた準備を進めて参ります。Q:今後の活動についてどのような展開をお考えでしょうか。A:今回の一流学術雑誌への論文掲載によって、南カリフォルニア大学のArmstrong教授とカリフォルニア大学のConte教授らによって進められた米国の臨床試験の成果や、その考え方が客観的に認められたことになります。8月21日のブログでも説明しましたように、生物製剤認可申請(BLA)を目指してFDAとの交渉を進めて参ります。またこれからは、HGF遺伝子治療用製品の販売について世界市場で経験のある有力な大手製薬企業と連携することを目指し、本格的にライセンス活動を進めて参ります。
READ MOREEmendoBio社の契約拡大に関する補足説明
2025年9月4日にお知らせいたしましたEmendoBio社がAnocca社とのライセンス契約の対象を拡大したことに関して、その意義などを補足説明いたします。Q. 今回の契約拡大の目的は何ですか?A. 今回の契約拡大では、2024年3月に締結した非独占的ライセンス契約で、EmendoBio社のOMNI-A4™ヌクレアーゼを用いてAnocca社がゲノム編集する標的遺伝子の範囲を拡張することが可能となります。この契約拡大により、Anocca社はより多様かつ強力なTCR-T細胞療法の開発が可能となり、固形がんを中心とする適応症の拡大が期待されます。Q. 今回の契約拡大により、EmendoBio社のライセンス活動が制約されることはありませんか?A. 今回の契約拡大でライセンス活動が制約されることはありません。今回の契約拡大でも、非独占的ライセンスであることに変わりなく、EmendoBio社は今後も自由にライセンス交渉を進めることができます。Q. Anocca社の研究開発状況はどうなっていますか?A. EmendoBio社とのライセンス契約以前より開発を進めていた進行膵臓がん患者を対象としたANOC-001について、昨年11月に欧州医薬品庁に提出した臨床試験申請(CTA)が本年3月に承認されました。2025年8月には同臨床試験を実施するために約4億4,000万スウェーデン・クローナ(約68億円:15.5円/1スウェーデン・クローナ換算)の資金調達に成功したことを公表しています。EmendoBio社のOMNI-A4™ヌクレアーゼを用いた製品は、これに続いて開発が進められることになります。Q. 今回の契約拡大は、EmendoBio社にとってどのような意義があるのですか?A. 自社のOMNI™ヌクレアーゼ技術の応用範囲拡大を実証するとともに、Anocca社の臨床試験の進展を通じて、OMNI技術の精度と安全性を市場に示す好機となると考えています。とりわけAnocca社が対象としている固形がんは、全てのがんのうち約90%を占める(Cancers 2023: 15,1171より)ことから、市場規模の面でも大きなインパクトを期待できます。Q. 今後のAnocca社との関係はどうなりますか?A. EmendoBio社とAnocca社は、TCR-T療法の臨床開発を加速させ、治療困難な固形がんなど疾患の治療に新たな可能性をもたらすために長期的パートナーシップを継続する予定です。今後も革新的ながん治療の開発に向けて、共同研究や追加ライセンスの可能性を模索していきます。
READ MORE櫻井英明氏の「株式講演会&企業IR Webセミナー」へ出演のお知らせ
当社代表取締役社長の山田 英が、8月30日(土)に開催された「櫻井英明 WEB 株式講演会&企業IRセミナー」に出演し、HGF遺伝子治療用製品の米国での開発方針や、直近の当社の事業状況などについて説明いたしました。以下より当該セミナーを視聴できますので、ご覧ください。
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