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2023.04.27

会社説明会のご質問に対する回答

2023年3月30日(木)、当社の第24期定時株主総会終了後に会社説明会を開催いたしました。

会社説明会では、プレゼンテーション資料を使った事業の進捗報告に加え、当社そして山田社長がどんな思いを抱いて、事業に取り組んでいるのか等についてお話させていただきました。

本ブログでは、当日会場にお越しの株主様からのご質問に関しての回答をレポート形式で紹介いたします。


※ご参考までに、会社説明会資料および動画のリンクを掲載いたします。

資料:https://www.anges.co.jp/pdf_ir/public/100643.pdf

動画:https://ondemand.seminar.vcube.com/ondemand/os/b8e75eb3b0f20219b41bb2a2e49fcf15920d2e00

※なお、動画の閲覧は7月末までとなっておりますので、予めご了承ください。


■HGF遺伝子治療用製品関連

質問:HGF遺伝子治療薬コラテジェンは、市場で購入することは出来るのでしょうか? また、どこで製造しているのでしょうか?

回答:ご質問ありがとうございます。コラテジェン®の国内での販売については、田辺三菱製薬社が実施していますので、当社からの回答は差し控えさせていただきます。なお、製造に関しては、国内外の企業から適時、最適な企業を選択しております。


■高血圧DNAワクチン関連

質問:高血圧DNAワクチンの臨床試験になぜ時間を要しているのか、教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。現在開発中の高血圧DNAワクチンについて、アンジオテンシンIIに対する抗体産生及び安全性に問題ないことは確認していますが、プラスミドDNAの発現効率をより増加させるなど、性能の一層の向上を目指した取り組みを進めております。


質問:高血圧DNAワクチンについて、実用化の目途を教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。高血圧DNAワクチンの開発は継続していくものの、実用化の時期については、今後の臨床開発計画や薬事当局との交渉にもよるので、現時点では具体的な見通しはお答えできかねます。ご理解の程よろしくお願いいたします。


■新型コロナウイルス向けワクチン関連

質問:スタンフォード大学と提携してコロナワクチンの開発を今後も進めていくということですが、スタンフォード大学との技術提携はどの程度進んでいますか?また何年後に完成する見通しでしょうか?

回答:ご質問ありがとうございます。オミクロン株について、専門家の先生が、これから気道疾患に変わっていく可能性が非常に大きいことを示唆されており、当社はスタンフォード大学と共同で、経鼻投与ワクチンの開発を進めていきたいと思います。また、これからの開発について、2年程度でこの技術についてまとめ、コロナワクチンではないものにも臨床応用が対応できるようにしていきたいと思っています。


質問:コロナワクチン開発は実際どう進めていたのか、教えてください。

回答:コロナワクチンは、2020年の年明けから春先にかけて実態がわかってきました。実態を見るにつけ、DNAワクチンを適用する可能性を検証していきたいと思い、大阪大学の森下先生のチームとご一緒に始めた次第でございます。 DNAワクチンの実績は当社だけではなく、アメリカのバイカル社が1980年代からやっていた仕事でございました。また、以前にエボラウイルスワクチン開発やSARS(重症急性呼吸器症候群)のDNAワクチンもアメリカで先行投資をして開発を行っていた時代がありました。そうした経緯も踏まえてDNAワクチンは、(新型コロナウイルス感染症に対して)可能性が十分ありと判断しました。 一方、mRNAワクチンは当時まだ成功には至っていませんでした。そういう意味ではmRNAがこれだけ威力を発するということは、2020年の初頭の段階では信じられない思いもございました。


質問:新型コロナウイルス感染症に対しては、ワクチンだけではなく、治療薬の必要性も出てくると思いますが、いかがでしょうか?

回答:ご質問ありがとうございます。当社ではコロナウイルスの実態を調べていますが、治療薬に至るまでの知見をまだ得ておりません。当社が関わっている治療薬の中で将来的にチャンスがあれば、検討してまいりたいと思っています。


質問:コロナワクチンに関して、政府からも多額の補助金が出ていると思いますが、どうなっているのか、教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。ワクチンの開発中止を受けて、当局に補助金を返さなければいけないと思う方もいることと思います。国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)や厚生労働省からの補助金は、当社が開発にかかる費用として申請した金額を当局が審査した結果、支給されており、開発結果の成否による補助金の扱いに変更はありません。受領した補助金は、使用実績の監査を受け、適正と認められたワクチン開発費を補助金収入として計上できる仕組みとなっております。データもしっかりと蓄積し、そのデータを財産としてこれからも活かしていくという観点で、当局からも十分に理解していただいております。


■希少疾患治療薬ゾキンヴィ関連

質問:ゾキンヴィに関しての質問です。プロジェリア症候群は患者数が少ない疾患ですが、その疾患に対する薬の独占販売契約を結んだということで、売り上げの見通しは立っているのか、教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。早老症(ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群:HGPSやプロジェロイド・ラミノパチー:PL)は日本での患者数は少なく、数人から10人規模です。薬価については今後、厚生労働省と最終的に合意を得るため、現時点で薬価の問題を議論することはできません。 ただ、早老症(HGPSやPL)の治療薬を導入したことは、米国やヨーロッパで評価されており、当社が以前国内で販売を行っていた、ムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」以上の薬価を想定しています。その数字につきましては然るべき時にご報告申し上げたいと思っております。 また、HGPSやPLに対する医薬品は親御さんや患者さんも切望していますので、非常に大事にしてまいりたいと思っております。この製品の作用機序は、場合によっては他の疾患にも応用される可能性があります。そのため、ゾキンヴィの最初の適用は早老症を予定していますが、将来的には感染症などにも応用できる可能性があると考えています。


■ACRL(アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー)関連

質問:アンジェスクリニカルリサーチラボラトリーの有償と無償検査の割合を教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。アンジェスクリニカルリサーチラボラトリーでは現在、新生児を対象とした有償のオプショナルスクリーニング検査のみ受託しております。


■エメンド(ゲノム編集)関連

質問:EmendoBio社の研究開発資金や上場予定について教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。EmendoBio社の研究開発資金については、当社からの貸し付けのほか、市場からの調達など多様な選択肢から検討してまいります。その中の一つとしてEmendoBio社の上場ということも選択肢として考えております。


■エボラ出血熱抗血清製剤関連

質問:DNAワクチン技術を用いて、エボラ出血熱抗血清製剤の開発を行っていましたが、現在の開発状況について教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。エボラ出血熱抗血清製剤は、カナダのサスカチュワン大学と共同で実施しており、前臨床試験ではウイルス感染による死亡を阻止することを確認しています。現在もサスカチュワン大学では動物モデルの検討を継続しており、当社はそれに応じてこの薬剤の評価を進めてまいります。


■その他(経営、財務関連)

質問:役員の高齢化がかなり進んでいると思いますが、今後についてどのように考えているのか、教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。役員の高齢化についてご指摘をいただきましたが、判断力は記憶力とは異なり、年を重ねることで向上するとも言われており、その人個人の持つ能力ですので、経験を積んだ人間ほど強いものはないというのが、薬の開発に携わってきた経験から言えることです。長い時間をかけ、また皆様方から資金をお預けいただいて、開発を進めることは非常に重い仕事であり、豊かな経験を持っていないと対応できません。難病に対してどういう解決策を講じていくかというのが、我々が本当に求めていきたいことであり、そのためには経験や判断力が必要となりますので、役員が高齢であるという点に対しては温かく見守っていただきたいと思っています。


質問:株価が低迷しており、事業を継続していけるのか、また、いつまで赤字が続くのか、株主としては心配になりますが、アンジェスとしてはどのように考えているか、教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。ご指摘いただいた点に関しては大事な課題と捉えております。また、研究開発費が先行する事業形態のため、資金の確保は重要な経営課題と認識しています。そのため、製品開発を着実に進めて、当社の価値を認めていただけるよう努めてまいります。まずは日本でコラテジェンの本承認を受けて、アメリカでも2020年代後半には、承認を何とか勝ち取りたいと思っています。なお、当面の資金についてはきちんと確保できているので、ご安心ください。


質問:今後の会社の経営状態に応じては役員の報酬カットも考えるべきではないかと思いますが、その点について、どのように考えているのか教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。当社は、役職員の給料は決して安くはありません。基礎研究や臨床開発も含めて新しい領域の開発に対応できる人材は日本国内では数少ないのが実情です。当社社員の中には米国等で経験を積み重ねた者もおり、逸材を採用しています。先端事業の領域で人材を確保するためには、報酬は維持していかないといけない。特にエメンドは7割の人間がPh.D.(博士号)を持っている集団で、アンジェスの将来を考えると、エメンドの技術はしっかりと維持していきたいと思っています。そういう観点から成功を勝ち取るためにも、ご理解いただきたいと思います。


質問:アンジェスは遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指すということですが、現在、遺伝子医薬品は日本に導入される時には薬価が安くなるため、海外の製薬メーカーが日本での承認申請を控えているという話を聞いたことがあります。アンジェスはコラテジェンから始まり、希少疾患の薬を日本で出し、非常にマーケットの少ないところでも、その疾患に苦しむ患者さんを助けるために医薬品を開発あるいは導入されており、非常に感服しました。 しかし、これからはその遺伝子医薬品を国内で開発申請すると、コラテジェンの時のように期待した薬価が承認されず、なおさらそれを補うために適応拡大を狙う上、治験も進めていく等、複合的な難しさがあると思います。また、海外で開発した方が、薬価が高くなる、でも、日本に早く人を助けたいといったジレンマを感じていますが、アンジェスとしてはどう考えているか、教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。極めて専門性の高いご質問で、日本の医療事情をしっかりと見据えておられるご意見をいただきました。 ナグラザイムは米国や欧州で承認されてから日本にやってきましたが、米国や欧州の4カ国の薬価の平均を厚労省は認めていただきました。2008年当時、日本では一番高い薬価でした。 また、コラテジェンはアメリカと日本で臨床試験を行っていましたが、日本では2014年に条件及び期限付き承認制度を設置していただき、米国よりも日本での承認が早くなりました。現在米国でコラテジェンの開発を行っていますが、米国で日本の薬価が影響を与えずに成立するかについて、議論がなされる可能性があります。 しかし、米国においては患者数が圧倒的に多く、潰瘍の改善を願っている患者さんの数は専門家の統計値で、約90万人規模で、コラテジェンのアメリカでの市場規模は、10~20万人は見込めると思っています。米国は非常に大きな市場なので、しっかり狙っていくよう考えています。 戦略的に振り返ると、コラテジェンの承認取得を日本で先行させたのは、薬価の観点から間違いとは言いませんが、必ずしも好ましい状況ではありません。ただ、(承認の基準が厳しい)日本で認められたため、米国でも臨床のプロトコールの壁が低くなりました。米国のFDAは非常に柔軟で、日本で承認されたものであれば、一考の余地があるということで、FDAからは日本と非常に近いプロトコールを提案していただきましたので、メリットもあったと思います。 今後につきましては、進捗等ございましたら、適宜ご報告させていただきます。


質問:第24期有価証券報告書で、殿町研究開発センターの従業員数が前期から0と記載されていますが、この記載の理由について教えてください。

回答:ご質問ありがとうございます。殿町研究開発センターで業務を行っている従業員は、東京支社の所属となっているためです。

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