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2020.02.14

2月5日(水)2019年12月期決算説明会レポート

2020年2月5日(水)機関投資家様および報道関係者様向けに決算説明会を行いました。

本ブログでは、決算説明会レポートと題して質疑応答をレポート形式で紹介します。


Q:国内のコラテジェンについて、販売開始されて5か月が経過しますが、実際の患者さんへの処方数は当初の想定と比べてどのようになっていますか?

A:今の時点では(処方数は)まだ10数例の状態です。
昨年10月から動いていますが、(まずは投与可能な)施設の開設に注力しておりまして、施設の開設がある程度落ち着くと、投与数は順調に伸びていくかと思います。


Q:施設数はどのくらいを考えられていますか?

A:約70施設と考えています。


Q:米国のコラテジェンについて、フェーズIIbをスタートしたところですが、結果次第でフェーズIIIの規模が決まってくるのでしょうか?

A:そうです。60症例とできるだけ負担の少ないフェーズIIbスタディ(臨床試験)を組ませてもらいました。結果が良ければ色々と戦略的に考える余地はあると考えています。
通常だと(この後は)フェーズIIIになりますが、RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)と言う、FDAが再生医療・遺伝子治療に関しては優先的に審査するというプログラムを検討しておりますので、それをこちらで十分精査した上で、(フェーズIIbの)結果次第ではありますが、(FDAの新しいプログラムを活用することを)戦略的に考える余地は出てくると思っています。


Q:戦略的に考えるとは具体的にどういうことですか?

A:アドバンスドセラピーという(早期承認プログラムの導入)を検討しているという情報が最近FDAから出てまいりまして、具体的にはFDAの担当官と話をしないといけないものですが、優遇措置を色々と考えているという情報が入ってきています。通常だと(フェーズIIbの後は)フェーズIIIということになりますが、結果次第ではそういった(新しい)制度を使うことを検討していくことは大事なポイントだと思っています。(フェーズIIIをやらなくてもよいのかの可能性は)見積りとしてまだ出来ていないので、検討してまいります。


Q:Emendo社への出資額5000万ドルという額は今までにない額ですが、どんな時間軸で成果があがるのか?追加出資の予定はあるのか?を教えていただきたいです。


A:Emendo社の出資に関しては、我々(アンジェス)の身の丈を考えると、大きい投資金額です。時間軸については一概には言えませんが、Emendo社はニューヨークにヘッドクオーター(本社)を持っていまして、然るべきタイミングで米国で上場するということを視野に入れて動いております。(Emendo社が)上場するかどうかは(出資時の)評価の対象には入っていませんが、OMNIという新しいゲノム編集技術を使って従前のゲノム編集技術より優位な形で展開できるかどうかが第一の視点です。ただし、上場することによって私共の投資効果が上がる可能性もございます。
時間軸について、Emendo社がどのタイミングで上場するかはわかりませんが、私どもが事業をする上では、何から始めて、具体的な形で売上を上げるかが大事なポイントだと思っています。
ここ2年ぐらいは将来像を描く上で大事な時期・ステージだと考えています。
(また、追加出資の予定に関しては)もしEmendo社の価値が上がると、私共では手に届かないということにもなりますので、どういった形で対応していくかを検討していきます。


Q:コラテジェンが国内での承認を得て、今後の展望を教えていただきたいです。

A:振り返りになりますが、率直に申し上げますと、非常に長い時間をかけてここまでやってきました。
青写真のない前例のない開発でしたので、企画・製造含めてトライ&エラーの連続でした。
ただ、過去の臨床試験の結果から確信を持っておりましたので、ギブアップすることなくやってこれました。まさに投資家の皆さんに支えていただけたことが、私共がここまでやってこられた大きな要因だと思っています。
ただ残念なのは、私共が期待する薬価には至らなかったことです。
一方で、当局含め薬価につきましては、いろいろ考慮を始めたと伺っています。
まだ新しい方針が明確に出ている訳ではありませんが、本承認を得るタイミングで、加点制度や、もう一度薬価を見直していただける可能性もありそうです。私共はこの領域の日本におけるリーダーだと思っていますので、私共のためだけではなく、これからの未来のためにも議論をしっかりしていきたいと思っています。
一方、アメリカの場合は、日本の潰瘍の改善のプロトコルに極めて近いプロトコルとして認めていただいたので、従前のような、足の切断や死亡に至るまでの時間を長くできないか、というFDAの非常に難しい要望から一変して、潰瘍の改善を認めれば承認する(という)ところまで(審査の基準が)下りてきたので、私共にとっては大事な進歩・進化だと考えています。もし従前のプロトコルだったら非常に迷いましたが、新しいガイドラインが出てきましたので、非常に大きなビジネスチャンスだと思っています。
特にアメリカの市場は大きいので、我々の次のステップを展望する意味でも大事なポイントになると考えています。


Q:投資有価証券評価損が大きな額だが、これについて説明をしてほしいです。

A:これは元々バイカル社に投資をしていたものです。昨年バイカル社がブリッケル社と合併しました。
バイカル社はナスダックに上場、一方ブリッケル社は非上場でした。(合併検討時の)上下関係でいうとブリッケル社の方が上(合併側)なので、ブリッケル社は(合併に伴いバイカルを存続会社とし)名前を(バイカルからブリッケルに)変更し、ナスダックに(そのまま)上場しました。ただ残念ながら株価が下がりました。先方のことを私の言葉を介して述べるのは好ましくありませんが、事実関係をお話すると、この1月に日本の科研製薬がブリッケル社の多汗症のフェーズIII試験を終わらせて、申請したことが報告されましたので、約1年で承認を得るだろうと考えております。
したがって、ブリッケル社の株価については前述の臨床が出てきたので、これから上がる要因として考えてもいいかと思っています。時間をかけて、ブリッケル社との関係をどうするかを含めて考察してまいりたいと考えています。
まだ保有している状態なので、時間を経れば回復する可能性があると期待しています。


Q:コラテジェンの製造はどこがやっていますか?

A:海外の医薬品製造会社です。


Q:今後、遺伝子治療薬の製造を自社でやっていくことは考えていますのか?

A:今のところ、製造は自前でやるよりは外注した方がいいと考えています。
今の会社だけではなく、他にも会社はあります。使い道が増えてくると価格を下げる余地が出てくると思います。私どもの今の薬価ですと、価格を下げてしっかりと利益を確保するのは大事な課題です。
そういった観点から、むしろ内側に取り込むよりは、今の所は外で作ってもらう方が合理的だと考えています。


Q:幅広く投資をしているが、遺伝子治療の会社と言われながらも、どこに焦点をあてようとしているのでしょうか?

A:私どもの規模の会社だと、大手のようにあれもこれもと(手を出すこと)は出来ません。
コラテジェンはアンジェスにとって初めての自社製品で、これは最後までしっかりと承認を取るのが、わかりやすく言うと一人前になるかどうかの分かれ目だと思っていました。
お金と時間をかけてでも、コラテジェンは承認を得るのが大命題でした。本承認はまだですが、期限付き承認までこぎ着けた点で満足感というか(役目を)果たしたと思っています。
ただ、この規模の会社が(コラテジェンと)同じように開発するのは非常にしんどく、消耗戦の連続です。
したがって、PoCのところまで持っていって、あとは大手あるいは中堅に売却するのは非常に大事なビジネスの展開の仕方だと思います。その中で、自分たちが最終的に承認まで持ち込めるものを選択していく。そのためにはいろんな駒を持っていないといけないと思っています。
遺伝子治療といえど、遺伝子治療で攻めた方がいい治療法やそうではないやり方がいい治療法、例えばムコ多糖症だと遺伝子治療よりも低分子の方がいいといったアイデアが最近出てきました。そういうところを使い分けながらやっていきます。
(アンジェスの)骨格は遺伝子治療です。ただしビジネスとして割り切って、ライセンスを売却(することを検討)したりしながら、きちんとキャッシュを生み出していくという意味で、大事な要因はしっかりとピックアップしていきたいと考えています。


Q:ゲノム編集に大きな投資をするのかと思っているが、いろいろな投資をしている中での一つという位置付けですか?

A:はい、そうです。ウイルスベクター(やプラスミド)では(どうしても)解決できない問題があります。ゲノム編集でなければできない問題を一つ一つ固めていきたい、ゲノム編集に大きな焦点を持っていきたいと思っています。
その中身については今後順次披露していきたいと思います。


Q:事業収益の内訳がどういうものなのか?特に製品売上、コラテジェンとか。これについての目標なのか想定してる規模感なりをお話しいただけるものがあればお伺いしたいです。

A:まずはコラテジェンの売り上げが一つ。120症例という風にPMS(市販後調査)で決まっているので、今年どれだけ消化できるかということになります。それがコラテジェンの売り上げに直結してくると思っています。コラテジェンの海外(米国以外)のライセンスは昨年から進めていて、できるものは今年いくつか着地したいと思っています。そういったところが基本的に今年の売り上げに定義されると思っていますし、金額のところは交渉事なので、しかるべき時にめどが付いたらお話しできるようにしたいと思っております。


Q:足元で立っている400万の売上高について、これは実際の投与患者数と完全に紐づいているのか?それとも、初期出荷分なのか?ロイヤリティ受領のタイミングにずれがあるか?

A:出荷した数になります。


Q:コラテジェンについて、これから市販後調査(PMS)が始まる。120例が投与例で80例が投与しない例⇒治験ではないので、プラセボではなく、投与しない症例。投与例と投与しない例をどう現場で判断されてどういうデータを取るのか?結果が出たときに患者のバイアスがかかっているのかいないのか分からないが、データが出たときにそれをどう解釈したらいいか教えていただきたいです。

A:これは大きな課題だと捉えています。ご協力いただく医師からもご指摘がありましたが、投与する人としない人をどこで仕分けるのか?しかも投与した人に極めて近い状況下で患者さんを見ないといけないという課題がついています。これは原始的ではないかというご指摘はありました。
また病院の現場の先生のご意見ですが、現場の先生からすればAさんに投与をほどこし、同じBさんに投与しないということは患者さんからのクレームがあったら対応することができない。それは認めざるを得ない形になります。したがってその辺の差別化が非常に難しいと聞いています。その対応策をどうするかというのは、いろいろ聞いていますが、その解決策としてどうするかというのは、いくつか代案がありまして、今進めているところです。決して楽観的な状況ではないと思っているので、いろんな意味でしっかりと当局と話し合いながら進めていく課題だと思っています。


Q:Emendo社から上場するような意向を聞いているのか?

A:それも考慮して出資をしているので、それは非常に大事な要因だと思っています。 


Q:上場した場合はさらに出資とかそのあたりもリターンも来るから、考えたりという、そういう含みも含めての検討なのか?

A:その時点で、当然のことながら他社の例を見ますとかなり高い時価総額になっているので、そのレベルになってしまうと手の届くところではないので難しいかなと思っております。

 

Q:Emendo社について、すでに方針として6月にも追加の取得、ここまでは予定しているという書き方になっている。この6月分の取得までしたとしてどのくらいの出資比率というか株の比率になるのか?

A:基本的には32%相当になります。


Q:持分法の適用までいくということですか?

A:そうです。


Q:今の状況だと研究開発費やいろんな販管費、販促、市販後調査もあり、アメリカのものもやり、いろいろなプロジェクトがこれから始まるが、そのあたりのコストは今期、膨らむことになるのでしょうか?

A:昨年(2019年)は申請をして承認を待つということだったので、コラテジェンがらみの研究開発はかなり抑えることはできましたが、今年はかなりアクティブにいろんなところで動き始めるので、当然のことながらその経費は出てくるかと思います。

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